マタタビザル

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吹雪の翌朝、雲間からうっすら日が差し始める。
嬉しくて山を下りた。
雪景色がとてもきれいなので途中で写真を撮ったけれど。
どんなに明るく見えても光が足りないなあ。


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除雪車の通ったあとはツルツルだから、緊張しながらそろそろと。
昨年植えられた桐の苗が何本もすっくと立っている。
ここは数年前まで杉木立だった。
間伐されなくなって大きく育ちすぎた杉が光を遮って
この坂道はいつまでも雪が消えず今よりもっと怖い道だった。
だから広々と明るくなり、雪も早く消えるようになって嬉しい。

でも、ここを離れた人たちはたまに訪れると
「あの杉山がよかったのに」と惜しむのです。
郷愁って、そんなものなのかもしれません。

毎冬、大雪で倒れた杉が電線を切って停電になっていたので
電柱は道端に移動されました。
景観は損なわれるけれど、停電のたびに雪を漕いで山奥へと入っていった
工事の人たちのご苦労が少しは楽になったのならいい。


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トーチャンは除雪の合間にマタタビ蔓のザルこしゃえ(作り)。
長い冬は「てわっさ」の季節だからね。


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縁はクマゴヅルを入れてしっかり編む。
蔓などの材料はその季節に山へ行って採集します。
ひと冬に作れる分だけ。


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ふたつ完成しました。
家の中で一番明るい場所で撮ったのですがぼんやり。残念。
みかんやお菓子を盛るのにちょうどいい大きさのめごいザルです。
出来たては白っぽいけれど、使っているうちにあめ色の艶が出てきます。
竹細工より柔らかな手触りで水切れがよく、マタタビザルは台所でも大活躍。


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下は義母が昔編んだマタタビザル。
ほしいという人もいたけれど、息子が買い取って家に置いてくれて本当によかった。
こんなに見事な仕事はもうなかなか見られません。
豆や野菜を入れて今も現役。わがやの自慢です。


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Commented by pallet-sorairo at 2018-01-04 20:51
桐の苗!
むかし会津の山を歩いていたころのこと。
春には道路沿いに紫の桐の花をちらほら見上げるようになると
会津に近づいたのがわかったものだったのを思い出しました。
それにしても見事な「てわっさ」の数々。
軟弱な私には雪国の暮らしはとても無理とは思っても、
こんな素敵なものとともにある暮らし、憧れてしまいます。
Commented by rinrin1345 at 2018-01-04 21:29
立派なざるですね。我が家も当たり前のように使っていたざる類がどんどん壊れ、捨てられる運命のものばかりです。豆の収穫の時は特に威力を発揮するので、産直めぐりをしているところです。
Commented by hanamomo08 at 2018-01-04 22:19
あけましておめでとうございます。

またたびのざるってお米とぎにいいでしょうね。
水切れがいいのがざるの命ですもの。

こういう手仕事ご主人はお母様から覚えたのでしょうね。
なんと美しいこと!
飴色になるのもまたいいものですね。
我が家居間の杉板も25年ほどかけてかなりいい飴色になりました。
自然ものって息づいているな~とつくづく思います。

今年もよろしくお願いします。
Commented by saheizi-inokori at 2018-01-04 22:30
ざわざわっとなるような美しいお母さんの笊、使うのがもったいないくらいですね。
Commented by fusk-en25 at 2018-01-05 03:56
どれも。。みーんな欲しい。
猫がみたら狂喜するでしょうね。きっと。
Commented by fusk-en25 at 2018-01-05 03:57
こんなことできる人がいるんだ。。悔しい。笑。
Commented by PochiPochi-2-s at 2018-01-05 10:17
〉昨年植えられた桐の苗が何本もすっくと立っている。
杉はなくなって郷愁を覚える人もいるだろうけれど、
何年かのちにあの薄紫の桐の花が咲きほこると思うと、
その美しい景色を想像してワクワクします。
(部外者ですけれど…)

美しい!
只々感嘆のみ。
トーチャンとばあのてわっさ、宝物ですね。
生活に密着した手仕事の作品の数々。
いつまでも伝承していってほしいです。

Commented by kotoko_s at 2018-01-05 12:10
☆そらいろさん
もしかしたら私の住んでいるところも通られたかも^^
ここは会津桐の産地で、昔から娘が生まれると桐を植える風習がありました。
5月にはあちこちで薄紫の花が咲いてとてもきれいですね。
冬が厳しい分、てわっさも盛んになったのでしょうね。
手仕事に憧れて当地へ来た私には、このようなものが何よりも美しく感じます。
Commented by kotoko_s at 2018-01-05 12:15
☆rinrinさん
自然素材ですから長年使っているとどうしても傷んできますよね。
うちも大昔のガタガタになったザルがたくさんあったので、簡単な一閑張りにして小物入れなどに使っています。
このあたりではどこの家でも大小のマタタビザルを使っていますが、それらはたいてい自作だったり地元で作られたものです。
自然からいただいた恵みで手作りできるのですから幸せな環境ですね。
Commented by kotoko_s at 2018-01-05 12:21
☆momoさん
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

マタタビのザルでお米をとぐと、当たりがやわらかで水切れがよく、とても気持ちがいいんですよ。
昔は大家族でしたから大きな米とぎザルが編まれましたが、今は少ないお米にちょうどいい小ぶりのものも作られています。
義母はとても器用なひとで、息子はその血はあまり引いていないようですが(笑)
でも、なんでも楽しんで手作りしたり修理したり、マメにやっているのはまさにあの母から受け継いだんだなあと感心しています。
自然のものは年月と共に育っていく楽しみがありますね。
すべてとはいきませんが、できる限りそういうものを大切に使いながら暮らしていきたいなと思います。
Commented by kotoko_s at 2018-01-05 12:24
☆佐平次さん
しっかり編まれていて、なおふっくらとしたかたち、義母のザルには私もいつも惚れ惚れします。
使ったあとはよく洗い、陰干しして風を通しておきます。
いい色になりました。
Commented by kotoko_s at 2018-01-05 12:28
☆fuskさん
そうそう、作っているところに猫なんかきた日には(笑)
Commented by kotoko_s at 2018-01-05 12:29
☆fuskさん
いいでしょう^^
当地では多くの人が当たり前のように自然素材でザルやカゴを編むんですよ。
山暮らし、そしてこの長い冬篭りのおかげですね。
Commented by kotoko_s at 2018-01-05 12:34
☆pochipochiさん
そうなんです、杉は間伐されないと鬱蒼と暗いばかりですが、桐はきれいな花を咲かせてくれますものね。
まだ細く小さな苗ですが、やがて丈高く育って薄紫の花を空いっぱいに咲かせてくれることを夢見ています。
トーチャンはバアほど器用ではありませんが、作ることが大好きなんです。
昔の人はザルをほどきながら作り方を覚えたそうです。
できあがったザルはさっそく使っていますが、暮しの中に家族の手仕事があるっていいものですね♪
Commented by stanislowski at 2018-01-05 17:30
すごーい。
きれいな編み目。お人柄が分かるよう。
バアチャンに指導してもらったら、「おめはぶきっちょだな」と、言われてしまいそう。
編み葛、うちのねこに欲しいです。
そちらの道の駅で買ったものがもう底をつきそうなので。
Commented by kotoko_s at 2018-01-06 07:53
☆stanislowskiさん
うちのばあはなんでもきれいに作る人で、畑も本当に整然としてきれいです。
几帳面なのは性分なんでしょうね。
長年の重労働で曲がってしまった指から、こんな見事なザルが生まれたのです。
でも、夫や私の不出来なものでも、必ず褒めてくれますよ^^
マタタビの外皮くず、春先にたくさん出るでしょうねえ。
冬のあいだにザル作りをする人が大勢いますから。
近くだったらいくらでも差し上げられるのに。
Commented by green-field-souko at 2018-01-08 20:53
今年の「てわっさ」に行くッ!
またたびの蕎麦ざるを一枚だけ(高級だから…)買ったのに、
もったいなくて使えないままだから。
ザルとかカゴとか幾つかあれば、ひとつくらいは
エイッ!と、おろせるかもしれないと思ったしだいです。

行けるかな。時間とれるかな。行きたいな。
今年最初の抱負でした^^
Commented by kotoko_s at 2018-01-08 22:44
☆草子さん
3月の工芸品展にお越しいただければ、冬のあいだにテワッサしたザル類がたくさん見られると思います。
ただ・・・たぶん、私の住んでいるところに原因があると思うのですが、奥会津のマタタビザル全体が高価になってしまって。
以前はためらわずに買える値段だったのに、困ったことだと思っています。
生活道具は高級品になっちゃダメですよねえ。

雪解けの始まる3月、お越しいただけたら嬉しいです♪
Commented by Yozakura at 2018-01-23 10:02 x
野兎の足跡さま
 お早う御座います。昨日から当地は大雪です。雪は既に、今朝早く止み快晴ながらも、積雪は10センチ以上。集合住宅の玄関口に当たる階段出口から下へ続く狭いスペースをスコップで、ほんの少しながら雪掻き。時間は短くても、一寸疲れました。
 そちらでは、これが一冬、ずっと続く訳ですね。お疲れ様です。

 で、手作りのマタタビ笊も拝見。見事な出来栄えですね。収穫の直後、泥を落として洗った野菜の収納にピッタリ。冬の暇潰しの手仕事で、この水準とは、生活にも張りと潤いが出るのでは----と推察します。お元気で。
Commented by kotoko_s at 2018-01-24 13:45
☆Yozakuraさん
こんにちは。東京方面の大雪、大変でしたね。
冷え込みも続いているようですので、足元にどうぞお気をつけください。
雪掻きも体を痛めますからお大事になさってくださいね。
こちらはしばらく降らなかったのですが、昨日から大雪になり、積雪はとうに1mを超えました。
東京から豪雪地のこちらに来て、雪国の人は本当に強いなあと感じます。
ここで生れ育った夫が除雪を担ってくれているのでありがたいです。

マタタビのザルは水切れがよいので、洗った野菜をあげておくのにピッタリです。
当地では昔から冬の間の手仕事が盛んですが、これも長い雪のおかげですね。
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by kotoko_s | 2018-01-04 13:55 | 作る | Comments(20)

奥会津に暮らす


by haru
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