あきらめる

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くだらない、つまらない、みっともないと
重々承知の上でも、怒りというのは突然やってくるので困ったことだ。
普段、努めて穏やかさを保とうとしている私のようなものは
ある時突然、キレて人が変わるので周りはびっくりぽんである。まあ、滅多にないことではあるが。

先日、どうにも抑えきれぬ腹立たしいことがあった。
一人になったとき、愛用のペンを思いきりノートにグサグサ突き立ててダメにしてしまった。
ばかである。
でも、キレた相手が人でなくて助かった。

『「聖なるあきらめ」が人を成熟させる』(鈴木秀子 アスコム 2015)

まったく余裕のないときには開けない本のひとつだが
ことが起きてから少し時間がたち落ち着きはじめたころ、手にとる。

「相手の一言一句にこだわらない姿勢」
「向上心の強い人や志が高い人ほど、頑張ることやほめられることを諦めることは辛い」
「白黒(善悪)をはっきりさせにくいことを、モヤモヤしながらも受け入れていく」などなど。
私には耳の痛いことばかり書かれているのだが。
あきらめるとは、物事に執着しない「諦め」、
そして物事を明らかにする「明らめ」。
この二つが人生を生きぬく知恵だという。
この世での苦悩も、その事実の変えられぬ事情が明らかになれば
諦めることもできる、そういうことか。

孫引きになってしまうが、こんな詩が紹介されている。


ある兵士の祈り

大きなことを成し遂げるために力が欲しいと神に求めたのに
謙遜を学ぶようにと弱さを授かった

より偉大なことが出来るように健康を求めたのに
より良きことが出来るようにと病弱を与えられた

幸せになろうとして富を求めたのに
賢明であるようにと貧困を授かった

世の人々の賞賛を得ようと成功を求めたのに
得意にならないようにと失敗を授かった

人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのに
あらゆることを喜べるようにと生命を授かった

求めたものは一つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられた

神の意に沿わぬものであるにもかかわらず
心の中の言い表せないものは全て叶えられた

私はあらゆる人の中でもっとも豊かに祝福されたのだ

           (訳:G・グリフィン神父)




詩人で画家である星野富弘さんの絵葉書を2枚、
パソコンの前の壁に張っている。
1枚は薔薇の絵と共に
上の詩と同じ思いが書かれている。

「あなたは私が
考えていたような
方ではなかった

あなたは私が
想っていたほうからは来なかった
私が願ったようには
してくれなかった

しかしあなたは
私が望んだ何倍ものことを
して下さっていた」


神様はいつだって願うようにはしてくださらない。
なぜ、こんな理不尽なことが、としばしば思う。

でも、思い返せばすべてはよかったのだ。
こんな私にもちゃんと用意されていた。





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Commented by fusk-en25 at 2015-10-12 06:49
私には今全く。「不条理」だとか「不都合」と言うことはないのです。
私の責任の範囲にある見送るべき人は見送ったし。
子供は大過なく今のところ暮らしている。
私自身にしても粗末ではありながら働かずに暮らせてそこそこ?健康でもある。
この境遇にいて、でも「ハッピー」(とあえて幸福と書かずにハッピーと書きますが。。笑。)
なのかと問われると、「ハッピー」だよって答えられない。
人間とはそういう生き物なのか。難しい生き物なのかどうなのかまではわからないけれど。。。
こんなことを考えながら暮らしてもいます。

Commented by fusk-en25 at 2015-10-12 06:58
PS。
でも私は「あきらめない」絶対に自分をあきらめない。
すごい自己肯定の性格。。。ですねえ。

絶望や不条理から得たことは。そう言うことでした。
Commented by poirier_AAA at 2015-10-12 07:23
>普段、努めて穏やかさを保とうとしている私のようなものは
ある時突然、キレて人が変わるので周りはびっくりぽんである。

ごめんなさい、ここを読んでちょっと可笑しくなってしまいました。

わたしはkotokoさんのそういうところが、すごく好きです。もしkotokoさんが常に穏やかでいられる人だったら、怒ってペン先をダメにすることなんか絶対にない人だったら、多分いま感じているようにはkotokoさんに親近感とか魅力を感じなかっただろうなぁと思います。

「諦める」という言葉には常にマイナスのイメージが付きまとうので、「諦めろ」ではなく「諦めるな」という人の方が良い人のように思われがちですけれど、ひょっとしたら「諦めない」のは「青い鳥がまさかこんなところにいるはずがない」と決めつけることかもしれませんよね。
Commented by saheizi-inokori at 2015-10-12 10:18
用宗の喫茶店のママさんは裂き織りが趣味だそうで、ダンボールの紙でやっている人が居ると話したら、びっくりしてました。
さっき貰ったばかりだ、こうするとおいしくなるってと、茹で栗をフライパンで炙ってくれました。
もうすぐ仕事を止めてあちこち旅をしたいと言ってました、、ずいぶん働いたもの、と。
Commented by kotoko_s at 2015-10-13 10:11
☆fuskさん
「幸福」と「ハッピー」、二つの言葉にfuskさんが感じておられるニュアンスの違いは私のそれと同じかしら、などと考えておりました^^
先日テレビで、険しい岩山を命がけで登っている人を見ながら、人間って不思議な生き物だなと思いました。ものすごく苦しいのにどうしてもやりたい、という気持。困難を乗り越える行為そのものに充足感を得るなんて、ほかの動物にあるかなあ、とあらためて考えてしまいました。
幸せの定義って、あるようでないものかもしれない。ただ感じること以上に、それについてこうしてあれこれ考えてしまうのが人間の悩ましいところでしょうか。

どうしたら自己肯定感をもてるのか、そんなことに私は長いことかかずらってきましたが。
気がついたら結構、自分をキライじゃなかったのね、と^^
Commented by kotoko_s at 2015-10-13 11:01
☆梨の木さん
まあ、ありがとうございます、こんなでよかった(笑)
「私が我慢して丸くおさまるならいくらでも我慢しましょう」と本気で思っているような子どもだったのですが、我慢というのは長続きしないもので。いい歳になった今頃、子ども時代の分まで怒ってるのかもしれません^^

そうですよね、「諦める」という言葉にはマイナスのイメージがありますね。
だから、それは「明らめる」ということだと聞いたとき、はっと目が覚めるような気がしたのです。変えられることと変えられないことが明らかにわかれば、変えられないものの中にも光を見つけることができるんだと。
こんなところに青い鳥がいた、と見つけられることが幸せですよね。ぶんぶん怒ったあとでそれが見つかったりするのが不思議です^^*
Commented by kotoko_s at 2015-10-13 11:17
☆佐平次さん
「ずいぶん働いたもの」と言えるひと、尊敬します。
怠け者で、それをゆるしてくれた環境に感謝と共に恥ずかしさも感じて。
茹で栗も火に炙ればいっそう香ばしくて美味しいでしょうね。
義母が「昔は山で拾った栗を焚き火に放り込んで食べた。栗は鎌でちょっと傷つけてやんねぇとぽんぽんはじけてみんなどっかいっちまう」と話してくれました。
ダンボールの裂き織の布教活動、ますます楽しくやっております^^
Commented by sakura-saku-tiru at 2015-10-13 18:37
諦める、を、私は、手放す、と、イメージしています。

しがみついて、握りしめて、揉みくちゃになったモノを手放さないと、他に素敵なモノが巡ってきても受け取れないから。

欲しかったものは、手にはいらず、思いがけないモノと巡りあって。

それが、私の人生。そう、川の流れのように。

成熟には、まだ遠いですけどね。

Commented by kotoko_s at 2015-10-13 21:32
☆さくらさん
ああ、そうですね、「手放す」という言葉には文字通り、「諦める」より前向きなイメージがありますね。
手に入らないから欲しがるということは誰にでもきっとあるのでしょうし、すでに持っている宝ものには気がつかないということも。
私も成熟には遠いですが、未熟であることの幸せもこのごろは感じるのです^^*
Commented by hanamomo08 at 2015-10-13 22:25
今週末、思うところあって講演会へ。
『肯定力の高め方』というサブタイトルがついていました。聴きに行ったからといって自分がそう変わることなどないと思うけど、少し耳を傾けてみたいとおもって。

さくらさんのコメントの諦めるは『手放す』
そうなんかもしれないな~と思いました。
Commented by kotoko_s at 2015-10-13 23:33
☆momoさん
『肯定力の高め方』ですか、私もちょっと聴いてみたいかも^^

昨年の秋、あるセミナーに参加するため東京へ行きました。
2日間のうち1日だけでしたが、思いきって参加してよかったと思いました。
内容もさることながら、自分のためにそこまで行った、ということが思った以上によい効果をもたらしてくれたのです。

手放したいことはいくつもありますが、好きなことを少しでもやるように、そしてそのことにうしろめたさを感じなくていいんだと思うようになってから、気がつくとひとつ、ふたつと手放せたものがあったような気がします^^*
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by kotoko_s | 2015-10-12 00:28 | 読む | Comments(11)

奥会津に暮らす


by haru
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