夏の仕事

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お風呂場の工事が終わった。
タイル張りの床も壁もだいぶ傷んでいたので
見違えるように明るくきれいになって嬉しい。
そこらじゅうに手すりをつけ、浴槽も前より浅めだからさぞかしいいだろうと思ったら
「……落ち着かねぇみてぇだ……」と義母。
一番喜んでいるのは掃除が楽になったヨメらしい。

工事の人たちがいたので、10日間ほとんど家から出ないで
大量のキュウリを煮たり、大量の紫蘇の葉を味噌で練ったりしていた。
夏の台所で保存食作りに汗を流していると、なんだか「私はよくやってる」感が湧いてくる。

上の写真は、キュウリを煮始めたところ。
冷蔵庫の在庫を数えたら35本あった。全部ぶつぶつ切って大鍋に放り込み
ザラ糖200グラム、酢200CCを投入。
あとはふたをしてくつくつ煮る。水は入れない。キュウリから出るからね。
煮詰まってきたら、出来上がり。
20本ぐらいが作りやすい。大量になればなるほど、煮詰めるのに時間がかかる。
普通の家で困るほど大量のキュウリに出会うこともそうないだろうけれど。


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これを初めて知ったのは奥会津の昭和村だ。
7月は、伝統織物の原料・からむしの刈取りと苧(お)引きの時期。
初めての作業と暑さにぐったり伸びた昼休み、村のおばちゃんが
「食ってみらっしぇ。何かわかっか」といたずらっぽく笑う。
……イチジク……?
「ンだべ、ンだべ、キュウリとは思われねぇべした」
おばちゃんは最後にしょうゆを少し回すんだと言ったが、私は酢とザラ糖だけで煮る。
おばちゃんみたいにもっと甘くするとさらにイチジクっぽくなる。
山の夏の、甘酸っぱい素朴なお茶受け。
夏が過ぎ、寒くなっても、忘れた頃までも、ずうっと持つ。

ついでに記録しておきます。
7月21日現在までのキュウリの収穫量522本。去年よりはるかに多い。


大量の青紫蘇の葉は、虫くいのないものだけさっと湯がいて氷水にとる。
軽くしぼったら袋に入れ、塩を加えて袋ごと振る。
キッチンペーパーに一枚ずつ広げて並べ水気を取り
ラップに包んで冷凍しておく。
夏のおむすびは、青紫蘇の葉―ここではチソッパと言う―でくるむ。

残りは、油を引いたフライパン一杯、刻んだチソッパに味噌と砂糖を加えて練る。
茄子やズッキーニを焼いた熱々にのせるのが家族の好物だ。
それでも余ったのでザルに載せ天日に干したら、あっという間にチリチリになった。
なんかと混ぜてふりかけにしましょう。


         *


昨年、義母は熱中症で倒れ、救急車のお世話になった。
医者から「草取り禁止!」と言われているのに、どうしたってやらずにはおれない。
私は今日、髪を切りに行って急いで帰ってきた。
一緒にアイスを食べ麦茶を飲んで
ほっとしたのは私のほうだったかもしれない。


こんなことで今日一日も終わる。
もし時間がもらえたら東京ではなく、実家に行きたい。
世の中のことを見ていない、考えていないわけではないつもりだが
そんなことばかりで、日々が過ぎてゆく。




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Commented by saheizi-inokori at 2015-07-22 15:10
キュウリの甘く漬けたの、山形で食ったような気がします。
蕎麦の付け合せにでたような。
チソ、長野でもそういったなあ。
お母さんお大事に、無理しないで、と言っても本人は無理だと思ってないかなあ。
Commented by kotoko_s at 2015-07-22 22:29
☆佐平次さん
山形でも甘いキュウリ食べるのですね。
東北はどちらかというと、砂糖はたっぷり使う印象があります。
チソ、長野でも言いますか。

佐平次さんに「お大事に、無理しないで」なんて言われたら、義母もいうこときくかもしれません。何しろ、どこから先が無理なのか、わからないみたいで^^;
Commented by hanamomo06 at 2015-07-23 00:26
今夜も寝苦しいですね。
>こんなことで今日一日も終わる。
世の中のことを見ていない、考えていないわけではないつもりだが
そんなことばかりで、日々が過ぎてゆく。

私もそうなんです。これが現実です。
人は皆、置かれている場所が違うのだと思うから、置かれた場所で・・・・・の渡辺和子さんの言葉を思い出しています。
秋田の市場に行くと、紫蘇の実漬けのこと『チソの実っこ』と書いて売られています。
やっぱりチソですね。
チソっぱの塩漬け美味しそう。
この夏必ず作ります。
一口のお結びにしたら美味しそうです。
胡瓜の佃煮も興味津々。
母はナスやささげで作っていました。
夏の常備菜には最適でした。(でもお砂糖はほどほど)
Commented by fusk-en25 at 2015-07-23 03:54
胡瓜の煮物、同じものが同じ時期に沢山できるところからの知恵なんでしょうね。子供の頃。偏食で大げさに言うと胡瓜、キャベツ、ジャガイモ、ちりめんじゃこと卵で生きていた?私には胡瓜は500本は無理としても何本あってもいい食べ物でした。
ベランダの青紫蘇で、醤油漬けを作ります。おにぎりに巻いたり、浅漬けに刻み込んだり冬じゅう楽しむ味。
Commented by kotoko_s at 2015-07-23 23:07
☆momoさん
こちらもここしばらく猛烈な暑さで、何も考えられない^^;
わが家もいよいよクーラーをつけることになりましたよ。こんな緑溢れる山の中なのに、と、ちょっとくやしいんですけどね。

秋田もチソなんですね。チソッ葉の塩漬け、今回はなぜかちょっと色が変わってしまいました。塩の加減かなあ。これはひとから聞いたやり方ですが、ほかにもいい方法がありそうですね。
キュウリの佃煮は今日もまた作りましたよ。今回は40本!でも、前回よりもうまくできました。
ナスやササゲ(こちらではササギ)の煮たのも美味しいですよね。

時々、人と較べて自分は何もしていないとか、力がないとか、つい考えがちなのです。
でも、皆それぞれの場所で精一杯生きているんですよね。私も「置かれた場所で」喜んで咲いている花でありたい。咲けないときは、地中深く根を伸ばして(^^*
Commented by kotoko_s at 2015-07-23 23:16
☆fuskさん
そうなんですね、どうしてもいちどきに同じ野菜を収穫するので、なんとか食べきる知恵ですよね。
当地は豪雪地で冬は何も採れないので、保存食が豊かです。このキュウリの佃煮は新しい知恵ですが。
そうですか、キュウリは何本あっても。送ってさしあげたいです^^
日本の胡瓜はパリパリして美味しい、と海外の方が言っていましたが、味わいや食感が違うと調理方法も変わるのでしょうね。
紫蘇の葉の醤油漬けも美味しそう。作り方、今度教えてください(^^*
Commented by fusk-en25 at 2015-07-24 00:17
紫蘇の醤油漬け。
葉っぱを塩揉みしアクをぎゅっと絞り。さっと塩を落として水気を拭く。そのまんま醤油に漬ける。1年や2年は冷蔵庫で保ちます。
胡瓜の中華風。
さっと炒めて、煮沸かした酢に玉葱や千切りの人参と漬ける。ちょっぴりごま油を最後に入れて。2時間ぐらいで食べると胡瓜が青々していますが、色が変わっても1週間ぐらいは保ちます。砂糖は好みで入れる。私はほんの少し塩を入れます。
Commented by kotoko_s at 2015-07-24 23:33
☆fuskさん
さっそくありがとうございます。
年単位で冷蔵保存できるんですね!でも、きっと美味しくてそこまで残っていないような気も^^
胡瓜の中華風もおいしそうです。
日々ぞくぞくと生まれておりますので、これはぜひやってみましょう(^^*
Commented by sheri-sheri at 2015-07-28 11:14
今日は。ことこさん。素敵なレシピばかりですね。是非、作ってみたいです。ご紹介ありがとうございます。奥会津もお暑いとか。義母さま、ご主人様ともどもご自愛下さいね。
Commented by namiko at 2015-07-29 05:12 x
こんにちは
一山、越えた山形県の置賜(おきたま)地方に住んで35年になるものです。真似してキュウリを煮てみました。イチジクに似てる。これを、お客様にだしました。(出身が県内各地)知っている人葉、半分くらいでした。こちらでは、醤油味の佃煮がこのごろ主流です。他に味噌汁の具と煮物にします。ここの人たちは、何でもじょうずにたべます。驚きはすべりひゆでした。
わたしは、何年経っても、教わることばかりです。
Commented by sakura-saku-tiru at 2015-07-29 19:50
咲けないときは、地中深く根をおろせばいいんですね。

なんか、ジンとして(涙)。
Commented by green-field-souko at 2015-07-30 15:01
こんにちは。
これこれ! ぜひともこれを真似っこしてみたいと
昨年の胡瓜の記事を拝読して以来、憧れていたのでした。
こしょーてみらんばねーなー^^
Commented at 2015-07-30 15:01
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kotoko_s at 2015-07-31 22:41
☆sheri-sheriさん
こんばんは、お返事が遅くなりました。
キュウリには毎年苦悩しておりますが今年はまたよく出来て^^;
それにしても暑いですね。地球が悲鳴をあげているようです。
そちらもさぞかし暑いでしょうね。どうぞお大切にお過ごしください。
Commented by kotoko_s at 2015-07-31 22:57
☆namikoさん
こんばんは。はじめまして、ようこそお越しくださいました。
キュウリを甘酸っぱく煮たの、そちらでもご存知の方がいらっしゃるのですね。畑をやっていると同じような悩みがあるのでしょうか^^
すべりひゆはどうやって食べるのでしょう。
雪深い山間の土地では、畑ばかりでなく山の恵みも上手に工夫して食べますね。こちらに来て保存食の豊かさにも驚きました。
89歳の義母にもっと聞いておかなくてはと今頃思っております。
Commented by kotoko_s at 2015-07-31 23:06
☆sakura-saku-tiruさん
渡辺和子さんというシスターが書かれた「置かれた場所で咲きなさい」という本の中にあった言葉なんですよ。
手元にないのでうろ覚えなんですが、今与えられている場所で精一杯咲こう、「でも、どうしても咲けないときもある。そんなときはじっと、地中深く根を伸ばして待ちましょう」というようなことが書かれてありました。

私も、細々とした根の先が、迷わずに深くしっかり伸びていってくれるといいなと思っています。
Commented by kotoko_s at 2015-07-31 23:10
☆草子さん
こんばんは。
あはは、キュウリの甘酸っぱいの、お口に合うといーなー。
あんまり太いキュウリだといつまでも水が出てふにゃふにゃになりやすいのですよ。ちょっとしっかりめに仕上がると歯ざわりもいいかと。

実家に持っていったら、甘すぎたようでした。昔は喜んでくれたんですが^^;
Commented by kotoko_s at 2015-07-31 23:24
☆鍵コメさん
ありがとうございます。おかげさまで今すぐどうの、ということでもなく、ひと安心です。
「何かを取り戻せることが幸せ」と感じられること、素敵です。
私は焦る割に、いまだに素直になれないところがあるかもしれません。
行ったところでたいしたこともしてこなくて自己満足なんですけど、会えるってすごいことですよね。

ご心配くださってありがとうございます。
頑張ってないですから大丈夫^^
そちらも暑いでしょう。お互いに健康第一でまいりましょうね~
Commented at 2015-08-01 07:58 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kotoko_s at 2015-08-01 16:32
☆鍵コメさん
ありがとうございます、おかげさまで守られました。
何かあっても不思議じゃない年齢でもありますし、会えるときを大事にしたいと思います。

そうですか、きんさん、ぎんさんのお誕生日だったのですね。
私もマイペースで楽しみながらいこうと思います。
暑い夏ですね。鍵コメさんもどうぞお大切にお過ごしくださいね。
私も夏休みをとろう、と思っています(^^*
Commented by fusk-en25 at 2015-08-03 19:11
フランスの胡瓜は長さが30cmから40cmもある大きなものが普通なんです。(たまに間引きした細いものも見つけると嬉しがる。笑)皮をむいてクリーム和えにして食べます。そのふっとい胡瓜でこの煮物を。長さ4cm4つ割りにして煮たら。炊き上がりは小さくなってしまい。皮も硬かったけれど。それらしきものができて満足(笑)
エアコンよかったですね。エアコンもお風呂もお義母さんの為でなかったら、またいつかと、辛抱してしまったりするから これはお義母さんからのプレゼントでしたね。
Commented by kotoko_s at 2015-08-04 08:24
☆fuskさん
長さ30から40cm!そんなキュウリが台所に山となっているところを想像してめまいがしました(笑)
フランス発のキュウリの佃煮、いただいてみたい^^
そういえばふと思い出しましたが。通っていた学校にパン工場があったんですよ。そこで作られる「コンコンブル」という名の、細長くて硬いパンが大好きでした。オニオンや胡麻が生地に練りこんであって、香ばしくて美味しかったのです。

エアコンもお風呂も、ほんとうに義母からのプレゼントでした。おかーさん、ありがと~(^^*
Commented by namiko at 2015-08-04 12:06 x
草むしりを禁止されてる、お義母さん。
目に見えたら、取らないと気がすまないでしょうね。でも、この暑さには気をつけないと大変!私も5時まえから起きて、畠に6時ころから出ます。(秋田の85歳になる母が、あまり早く外仕事をしたら人目わりがらなと言うもので)
手入れしたら、しただけ良い作物が採れるのは楽しいことです。
さて、すべりひゆなのですが、あまり大きくならないうちに刈り、おひたしにします。にんにく醤油をかけて。ちょっと酸っぱくて、ねばりもあります。
こちらでは、「ひょう」と言われてます。
ひよっとして良いことがあるかもしれないと、正月料理としても食べます。干物にして保存しておきます。すごいでしょ。
Commented by kotoko_s at 2015-08-05 00:50
☆namikoさん
すべりひゆは、おひたしにするのですね。庭に義母の手を逃れたものがあるので、料理してみようかな^^
「ひょっとして」良いことがあるかもしれない、というの、いいですねえ。

禁止されてもかまわず、草と見れば取らずにはいられない義母は、私がやるからね、と念を押した花壇も、きれいさっぱり更地のように草を抜いてくれました(^^;
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by kotoko_s | 2015-07-21 16:30 | ある日 | Comments(24)

奥会津に暮らす


by haru
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