書くということ その4

まだ「書くということ」シリーズをやっております。

今朝の地元新聞に、とてもいい記事が載っていた。
記事というか、エッセイですね。
亡くなったおばあちゃんの話。

おばあちゃんの口ぐせ「どうもない」のことから始まり、
地元の言葉で聞かせてくれた「桃太郎」や「こぶとりじいさん」が大好きだった、という。

さて、その先。
「祖母自身の昔話を聞いた」というところから、ぐいぐいと引き込まれてしまった。

祖母は、自分の両親に会ったことがなかった。
嫁いでからの様々な苦労や悲しみもあった。
だが、祖母は、大変だっただろうことの詳細を一切語らなかった、というのだ。

祖母の話を聞いた孫は思う。
祖母の、あの口ぐせは、心から家族を思う本心から出ていたのだ、と。

これを書いたのは、プロの書き手ではない。
巧みな比喩や凝った表現があるわけではない。

でも、感動した。
まず、この祖母の人生がすごい。
ある年代(たぶん、私の義母ぐらい)の女性に共通するものかもしれない。
でも、それをこういう場所で書けたのは、孫だったからだ、と思う。
これがもし、ヨメの立場であったら、こんなふうにまっすぐに書けるだろうか。
娘だったら、なおのこと、書けないかもしれない。

孫という、祖母と特別な親密さをもった存在でなければ
到底、こんなふうに素直に書くことはできないだろうと思う。
おばあちゃん子だったという筆者の
祖母への愛情がよく伝わってきて、あたたかな気持になった。

身近なひとに自分の物語を語っていただき、
それをなるべくその話し言葉で記録するという
「聞き書き」という手法がある。
子どもたちが、父母、祖父母への聞き書きをすると
特に祖父母に聞いた話が素晴らしいのだ。
やはり、孫が聞く、という
特別な関係の上にこそ成り立つものがあるのだ、という思いを
この文章を読んであらためて強くした。

書くことについて、これまでになく悩みながら、ここしばらく色々な本を読んでいた。
何かヒントがないかと思っていたのだが
今朝のこの短い文章に、私が知りたかったことが見つかった。


自分の世界を広げてくれるような、大きな視野をもった文章には憧れるが
等身大の自分に素直な、こんな素朴な書き方に
ああ、私はこれをお手本にしたい、と思った。
まずはごく身近な、私が大切にしている思い出話だって、いいではないかと。
そう思うと、ふうっと気が楽になった。
この地で書く、ということばかり意識して
なにやらひとり勝手に気負っていたなあと苦笑い。


よい文章を拝読しました。ありがとうございました。
Commented by 容子 at 2015-01-22 11:10 x
おはようございます^^
良かったですね、無事着地した感じで爽やか…💛

昨日、読んでいてなに何かが溢れてきて、
涙がこぼれていました。
なんで?なにが?ってよくわからないですが、勇気を頂いた気持ちです。

私の中の小さな、
目も心も背けたい事に逃げない、覚悟して向き合う勇気。

土曜日に会津若松に行ってボクシングの応援してきます。
ちょっとkotokoさんの近くに行ける…(笑)
福島の山々を眺めるのが今から楽しみです。
Commented at 2015-01-22 20:42
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kotoko_s at 2015-01-23 10:16
☆容子さん
こんにちは。
おいでくださってありがとうございます。もしかしたら、前にもコメントくださった容子さんでしょうか。
そうでしたら、その節は失礼いたしました。同じ名前の友人がいるので、てっきりそうだと思い込んで、なれなれしい調子でお返事してしまいました。

「覚悟」や「勇気」……大変なことですよね。
覚悟したつもりでも、壁にぶちあたるたびに弱い自分を思い知らされる。でも、そこではもう、最初とは違う自分になっているんですよね。
そう思って、まあ、ぼちぼちいくか、と^^;
ここに書いてみてよかったと思います。こうして励ましていただけて、幸せです。ありがとうございます❤

ボクシングですか!それは勇気百倍になれそうですね^^
どうぞ楽しんでくださいね。晴れますように。
Commented by kotoko_s at 2015-01-23 10:26
☆鍵コメさん
おいでくださってありがとうございます。
そうでしたか。。。
目の前のことに追われることで、なんとか日々を過ごしていけるということ、ありますよね。
どうぞお体おたいせつに。また伺わせてくださいね。
Commented by 容子(紗翁) at 2015-01-23 18:09 x
以前のコメントにお返事頂いた時、
きっとどなたかと間違っていらっしゃる…と思いつつ、容子という呼び捨てに、今は誰も呼ばない名前にハッとしたり、こそばゆくなったり、良い気持ちになりました。笑笑
ありがとうございました。

Commented by kotoko_s at 2015-01-24 14:01
☆容子さん
まあ、紗翁さんでしたか!
お元気そうで何よりです。
どうしていらっしゃるかな、と思い出しておりました。
呼び捨てにしてしまって、ごめんなさい^^;

ボクシング、納得です^^  今日は若松もいい空ではないでしょうか。
道中、お気をつけて。おいでくださって、嬉しかったですよ~(^^*

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by kotoko_s | 2015-01-21 12:36 | ある日 | Comments(6)

奥会津に暮らす


by haru
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