ありのままで

今日でお彼岸が明けた。親しくしているお寺の娘さんが、いくつかの漢字ひと文字を続けてお経のようにすらすらと唱えてから、「お彼岸は修行の期間だから」と言った。

義母から教わったとおりに、彼岸の入りに白い団子を一皿、仏壇に上げる。中日にはすこし大きめの団子を一皿。そして「お帰り」の日は、小さめの団子を二皿上げ申す。「上げ申す」という言い方も、義母の真似をしている。お帰りに二皿というのは、一皿はあの世で待っている無縁仏さまたちへのお土産だという。
団子一皿は11個から12個。小さめの皿にピラミッドのように盛る。ノートに「ハレの食」の記録をしていて、団子粉何グラムで団子いくつ出来た、と書いてあるので、それを見ながら支度する。毎年のことで自分でやっていることだが、そのたびにノートを確認すると安心してとりかかれる。団子のほかに、それぞれの日に上げ申す料理もだいたい決まっている。
団子粉はうるち米にもち米を混ぜて挽いたもの。スーパーにも「団子粉」として売っているが、義母が昔から買っている地元の店に、私も頼んでいる。たまにうす黒い団子になったりする。そういうときは、蕎麦粉を挽いたあとだ。

寺の娘さんの話によると、地元の人達が彼岸の入りに「仏さまがいらっしゃった」と言い、彼岸明けになると「お帰りになった」と言うのは間違いだそうだ。仏さまが家に戻ってきたり、またあの世に帰ったりするのはお盆のときだけらしい。あとはずっとこの世にいるのか、あの世にいるのか、それは何度聞いてもわからなかった。

義母は今年も仏壇の前にぺたりと座り、「トーチャン!団子いっぺぇ上がったぞ。これ持って帰らっしぇ。○○にもやってなあ。○○にもやってなあ。土産なんだから、ちゃんとやってなあ。気ィつけて帰ンだぞ。舟銭もここサ上げたから。まっすぐ帰らっしぇ。こんだ来ンのはお盆だ。それまで達者でいるんだよ。オレのことは心配いらねぇから」

あの世に行ったひとに「達者で暮らせ」も可笑しいが、義母の挨拶はその後もしばらく続き、その真剣さに胸がしんとした。
間違えているかもしれないが、帰ってきたり行ってしまったりするのが義母の大事なことなら、それでいい。

お彼岸が明けると共に、気温が一気に上がった。雪をまともに見ないように気をつけるが、それは難しい。目がちかちかする。麦わら帽子をかぶって庭の雪消しをした。


「アナと雪の女王」の「Let It Go」、いいなあ。劇場で観たい作品だが、この曲だけ何度も聴いている。
イディナ・メンゼルの声は素晴らしい。このひとは、「RENT」でも素敵だった。




日本語吹き替え版の松たかこも悪くない。訳詞が気に入っているのでこちらも。





「ありのまま」でいたい、そのままを愛してほしいとは誰もが願うことだろうが、自分のありのままを知っているひとがどれほどいるだろう。
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by kotoko_s | 2014-03-24 23:12 | ある日 | Comments(0)

奥会津に暮らす


by haru
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