ポジャギ

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長年の憧れ、韓国の手仕事・ポジャギ。
本来はモシ(苧麻ーからむし)や絹で作るようですが
手もとにたくさん残っている古木綿の端切れで
真似事をしてみました。
テキストはNHK「おしゃれ工房」(2002年10月)。
このページを見て以来、いつか縫ってみたいと思っていたのです。
こういうの、誰でも出来そうに書いてあるんですよねえ。
ところが。


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真似事にしてもいかにも不器用な出来です。
中央につまみ布や縁起物のコウモリを縫って付けるのですが
会津木綿では似合わないような気がして、ここまで。
一応、仕上げただけよしとしましょうか。
土台には古いワンピースをほどいた麻布を利用。30×30センチ。


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外表に重ねた布端の向こう側から手前に針を刺し
1ミリ間隔、5ミリの深さに揃えつつちくちく。
続けていると疲れてきて集中力が途切れたところが一目瞭然です。
韓国女性の手。おそるべし。


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からむしにはご縁があるので
こんな軽やかに透き通ったポジャギにはことさら惹かれます。
でも、からむしの布の端切れはないので、これは永遠の憧れ。
美しいなあ。


毎年、雪に閉ざされる長い冬には
手仕事をして春を待ちます。
今冬はポジャギで作りたいものがあったのですが。
とうてい無理とわかって、長年の「いつかは」がすっきり消えました。

はじめての「ポジャギ風」の布。
指先を刺したぶん、いとしさはひとしおです。





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# by kotoko_s | 2018-12-04 15:01 | 作る | Comments(12)

休憩。

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お訪ねくださってありがとうございます。

しばらくのあいだ休憩いたします。


と書いてふと見たら

2年前にもちょうど今ごろ休憩しておりました。

どうやら周期的に休みたくなるらしい。



ではでは。












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# by kotoko_s | 2018-05-11 10:59 | ごあいさつ


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カタクリを撮るには朝。せめて午前中に、と
わかってはいましたが。
午後遅くにしか行けなかったのでした。

今年の春は急ぎます。
地元の「カタクリまつり」より早く
花はすでに盛りを過ぎて。
それでも、今年も見られてよかった。

92歳の義母が
杖を頼りに車から降りて
「冥土の土産だ」と言いました。


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ヤマザクラ。
孤高のひとのようです。
今年も咲いてくださって
ありがとうございます。


春はもの想う季節。
明るいからなおのこと
胸に去来するものの多きこと、深きこと。

長い冬のあとの贅沢です。




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# by kotoko_s | 2018-04-26 23:18 | ある日 | Comments(10)

やすらぐ場所

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草間彌生の展覧会を、彼女が生まれた松本で観ました。
ほとんどの作品が撮影不可でしたが、撮れたものの一部を。
展覧会のタイトルは「ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて」


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「これは・・・・・・ここがアタマなんですかね?」
と、学芸員に聞いているオジサン。
「どうぞお好きなように、ご覧ください」
ニコニコしながらこたえている。

真っ暗な中を誘導されて進むと一面光る水玉の海だったり
4人ずつ20秒間だけ滞在できる部屋は鏡張りで
見渡す限りかぼちゃに埋め尽くされていたり
作家が幻覚や幻聴を描き始めたころの油彩画も見られたり
おおいに楽しみました。


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私は草間彌生が好きなのです。
たぶん、作品以上に彼女自身が好きなのです。
89歳になる現在も旺盛な創作意欲が衰えないのは
彼女にとっては当然のことです。
「描かなければ自殺しそうになって大変なのです」と言うのですから。
記念に、かぼちゃがプリントされたTシャツと
彼女がギロリとこちらを見ているポストカードを買いました。



それからここへ。


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小さなクラシックな喫茶店の一角に
冬の手仕事を展示していただいたのです。
いろんな人たちのお世話になりました。ありがとうございました。

会場でダンボール織のワークショップもしました。


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この喫茶店は、心に病や痛みを抱えたひとたちが働いています。
今回のワークショップに参加してくださったのは
ほとんどが家族にそういうひとをもつ人たちでした。

もともと、ダンボールを使った織物を始めたのはこの場所でした。
私もかつてここでお世話になったのです。
ダンボール織は、描いたり作ったりする私のひそかな喜びが
多くの人とわかちあえるものへと変わるきっかけとなりました。
仲間の笑顔を見て、自分にも何かできるかもしれない、と思ったのです。

社会にうまく適応できない、傷つきやすい心の持ち主に
絵を描いたり音楽をしたり、表現世界に没頭する人が多いのはなぜでしょう。
私はここに来ると「帰ってきた」という気がします。

家から出られない娘さんのために
材料一式を持ち帰ったおかあさん。
それだけで、この場所で出来てよかったなあと思います。

よい旅になりました。



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# by kotoko_s | 2018-04-18 09:42 | 観る | Comments(18)

猫がいた喫茶店

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テレビで新入生の初々しい顔を眺めていたら
ふいに昔のことがよみがえった。

30年以上前、私は社会人になってから夜間の専門学校に通っていた。
勤めていた会社は勤務時間が不規則で学校に間に合わないので辞めた。
学校に通い出したら、先生がのんびりと言った。
「あなた、昼間何やってるの」
「なんにも・・・・・・いえ、しないとまずいんですが」
「だったらちょうどいいや。これから行こう」

連れていかれたのは古い喫茶店だった。
「純喫茶M」としておく。
「画廊喫茶M」という文字も看板に見えた。
Mは画家の名前である。
無気味な感じの女の顔が、看板に描かれていた。
あとで知ったが、純喫茶と謳いながら、夕方からはお酒も出した。
三島由紀夫がよく来ていたとか、誰それが常連だったとかいう話も聞いた。
椅子の背には白い布カバーがかかっていて
小さなテーブルに置かれたメニューには
「サイダー・コーラー・クリームソーダー」と書かれていた。
「ガラナ」という飲み物を、そこで初めて知った。

その店で、1年ほどだったろうか、アルバイトをした。
しばらくは注文を聞いたりコーヒーなどを運んだりしていたが
まもなくママさんに
「代わってちょうだい。あたし疲れちゃったのよ、年だから」
と有無を言わさない雰囲気で言われ、カウンターの中に入った。
教えられるままにサンドイッチやスパゲティやパフェを作り
コーヒーを淹れた。
慣れると「ホール」より居心地がいい。
盆にのせてそろそろと運んだマティーニのグラスを
テーブルに着地したとたんに倒して
お客さんの胸に盛大にひっかけてしまったこともあったし。

ママさんはお愛想なんぞ言わない人だったが
その分、褒められると本当なんだとわかって嬉しかった。
ちょっと、姑に似ていなくもない。
暮れにはひと抱えもある業務用の食パンを持たせてくれて
「サンドウィッチをたくさん作ってあげて」と言った。


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その喫茶店に昔、猫がいたという。
白いおとなしい猫で、いつも2階に上がる階段の下にいた。
そこから、入ってくる客、出て行く客を見ていた。
ある日、2階から酔っ払った客がよろよろと降りてきて
寝ていた猫を思い切り踏んづけた。
「どうなったんですか、猫は」
思わず浮かんだ『ねこふんじゃった』に笑いそうになるのをこらえて聞くと
「死んじゃったよ」ママさんは即答した。
「だからその人に言ってやったんだ、二度と来ないでくれ、って」
ママさんは思い出すのも嫌そうに、眉間にしわを寄せた。
いい猫だったのに。

飲食店に動物がいる、というのはよくあることだろうか。
そういえば、猫のいる蕎麦屋を知っている。
注文して待っていたら厨房からトラ猫が出てきてギョッとしたものだ。
あれも、蕎麦屋の主人にとってはいい猫だったにちがいないが。


あの喫茶店、今もまだあるだろうかと
インターネットで検索してみたらぞろぞろと出てきて感激した。
まだ、あった。
看板も変わっていない。改装したというが昔の面影を残している。
メニューは当時より豪華になったようだ。

東京が遠くなって久しいが、今度行くときには。
あの御茶ノ水駅界隈、同級生とたびたび入ったピザ屋。
1本ずつ買った絵の具、憧れの筆の並んだ画材屋。古本屋。
坂道をずうっと下って先生にご馳走になった中華料理店。
可愛がってくれた先生は亡くなり、学校ももうあの場所にはないけれど。
学生街のあの雰囲気は変わっていないだろうか。

そしてあの純喫茶Mに行くのだ。
スパゲティセットを注文して、ゆっくりコーヒーをすする。
ママさんのいるうちに、どうして行こうと思わなかったのだろう。
その節は本当にお世話になりました。
このとおり、やっぱり、なにものにもなれませんでしたが。
「好きだと続くものだよ。それでいい」
ママさんに言われた通り、今も毎日、絵を描いています。



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# by kotoko_s | 2018-04-05 10:32 | ある日 | Comments(18)

奥会津に暮らす


by haru
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