ダイサイニチ

「ダイサイニチ」―どういう字を書くのかわからない。「大斎日」というのを見たこともあるが。
今日は仏様の日で、老人が言うには「地獄の釜の蓋が開くから静かにしてる日なんだ」。女正月の日でもあり、別の地区では女衆だけお寺によばれ、まんじゅうの天ぷらなどをごっつぉになりながらお茶のみを楽しんでいる。
静かに、といわれても、私は料理をしなくてはならぬ。

昨日より冷え込みもゆるんで、それでも朝はマイナス5度だった。曇天。雪が降らないのは助かる。
作ったのは煮物。里芋・人参・凍み豆腐・さつま揚げ・ちくわ。小さめの鍋で少し。先日の煮物がまだ残っているけれど、残り物をお供えするわけにもいかない。天ぷらも揚げる。焼き芋と干し柿。焼き芋はスーパーで買ってきた。義母の好物だ。干し柿は、信州の市田柿と近所からいただいた手づくりがあった。
干し柿の天ぷらは久しぶりだ。この家に来たころ、正月2日は「歯固め」といい、これが出た。柿はヘタをとり、縦に包丁を入れるが、根元まで切らない。開くと真ん中がくっついた双葉のようなかたちになり、そのまま衣をつけて揚げる。なんとなく、瓢箪に似た姿になる。
焼き芋は焼いてあるから、すぐ油から上げる。天ぷらにしても焼き芋の味だ。
それと、団子さしのときにとっておいた白い団子を茹で、皿にこんもり盛って。

料理といってもこれだけだが、つま先がすっかり冷え切った。腰がだるい。これでおしまい、と思ったらまだあった。大量の里芋を汁物用、煮物用と分けて刻み、冷凍する。神棚からおろしたお膳の魚やごはんを片づける。もちろん、あとで食べるのだ。
「昔は白いマンマなんぞ正月しか食われなかった」という義母の苦労を聞いているので、なんでもたくさんあることには本当にげんなりするけれども、でも、しょうねぇ、と胸の中で唱えながら。

あとは炬燵にあたったまま静かに過した。パソコン作業をしていると、母から電話。ゆっくり話す。
冬は雪が心配なので里帰りをしたことはない。雪が心配というのは、留守中の老人のことである。雪になれば、玄関から隣りの家までカンジキで踏みながら道をつくらなくてはならない。
だが、今年は行こうかと考えている。小正月がすめば、しばらくお役御免なので。何より、この先ますます家を離れることが難しくなってくるので。雪も今のところ落ち着いているが、昨年は来週あたりが大雪になった。
行けたらいいなあと思う。
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# by kotoko_s | 2014-01-16 16:00 | ある日 | Comments(0)

小正月

朝6時-9.5度。この冬一番の冷え込みだった。
朝食後、小正月の支度にとりかかる。花豆は煮ておいたし、ひたし豆は枝豆を茹でてはじいておいた豆が冷凍してあるからそれを使う。あとはこくしょうと豆腐汁と、そうだ、ポテトサラダでもつくろう。こくしょう・豆腐汁・豆があれば、あとは特に決まった料理はないのだから、大変というほどのことはない。銀鱈を煮たりぜんまいを料理した年もあったが、いつのまにかずいぶん簡単になっている。
けれど、この寒さ。この家に来たころ、冬になるときまって膝がしもやけになった。今は脂肪がたっぷりついたおかげで、あんなにひどくなることもなくなったけれど、今日の台所の寒さといったら!水の中に浸かっているようだ。

もうほとんど慣れた手順だが、ノートを見ながら支度する。今日のこともノートにつけておく。
季節ごとの様々な行事や料理は、結婚してからずっとメモしてきた。見るもの聞くこと初めての体験ばかり。義母のしてきたことをやがて受け継がなければならない、というような責任感など当時はなくて、ただただ面白かった。

午後、あとは火にかければいいだけにして、散歩に出る。
一歩出ると、寒さも気持いいほど。なんてきれいな空だろう。透きとおって体ごと吸いこまれていきそうだ。

昔、1月15日は祝日だった。
2000年からの「ハッピーマンデー制度」で、成人の日が1月の第二月曜と決まってから、小正月は平日のことが多くなった。成人の日は、もともと元服が小正月に行われていたから15日に決まったという。小正月が祝日だった頃は、勤め人も学生も行事に参加できた。そうすることで地域のつながりも強くなった。
日本古来の行事は、都市部ではもう忘れられている。知らなくても困ることのない暮らし。私も、この地へ来て初めて知った。
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# by kotoko_s | 2014-01-15 21:51 | ある日 | Comments(0)

団子さし

今日の冷え込みは厳しかった。暖かい居間から台所に行くと身体が縮み上がる。腰に巻くスカートがはずせなくなった。
朝食のあと、「団子さし」をする。小正月の行事のひとつだ。いつもは台所で団子を丸めるのだけれど、今日はあまりの寒さに居間へ移動した。
団子の粉はうるち米にもち米を混ぜたもの。熱湯をまわしながらまとめ、丸める。粉は一升5合。大鍋で煮てミズノキにさし、後片付けを終えると11時だった。

昼食後、明日の「小正月」のための買物に行く。途中、ムラのお地蔵様に、団子をさしたひと枝をお供えする。
「お団子ください」と言ってから、誰かが持ってきた枝から家族の人数分の団子を抜いて包む。黙って持ってくるもんでねぇ、と老人に教わったとおりに。

ここ数日、雪が降り続いていたところに、この冷え込みで道路はてらてら光るほど凍結している。山から下りる道より、国道に出てからのほうが怖かった。雲が切れ、水を流したように透明な空が広がってくる。うっとりするほどきれい。でも、そちらに気をとられたとたん、スリップしそうで景色を眺める余裕はなかった。隣町のスーパーに着くと、緊張が解けてぐったりした。

山に帰ってきてから、ようやくほっとした。車を道路の脇に寄せ、カメラを持って降りる。上ってきた道を戻りながら、雪をかぶった杉の木や、切り株に積もり庇のように張り出した雪の造形を写真に撮る。
夕飯は餃子をつくる。寒いので熱々の茹で餃子が食べたかった。つるんといくらでも食べられる。10個食べた。美味しかった。
今日は疲れた。その割りにちゃんと夕飯の支度ができて、我ながら上出来と思う。家族が美味しいと喜んでくれて嬉しい。
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# by kotoko_s | 2014-01-14 23:29 | ある日 | Comments(0)

アナログ生活

今日も一日中、雪が降っていた。
気温が低いので、軽く乾いた雪だ。ここの雪は重く湿っているのが特徴だから、こんな雪は寒中の間だけだろう。予報では今後1週間、毎日、雪だるまと雲のマークがカップルになっている。楽な冬はまだ続いてくれている。
昨日は4回、カンジキで雪を踏んだ。昨日の朝は、泊りで不在の夫の代わりに、まだ暗いうちに踏んだ。新聞配達の人が来る前に道をつくっておかなくてはならない。隣りの家までぎゅっぎゅっと踏んでいき、今度は家に向かって踏みながら戻ってくる。玄関から漏れる灯りが暖かく、ほっとする。積もった雪は踏み固められ、だんだん高くなっていく。家は雪の底にある。

すっかり雪になったので、落ち着いた。こうなると手仕事に集中できる。どういうわけか、いくら時間があっても雪に降り込められないうちは、なにかやろうという気になれない。この地のひとも、そう言っている。
昨日、30センチ四方の基本ピースを1枚縫ったが、今日はさらに手が慣れたのか、3枚仕上げることができた。4枚のピースを並べてみる。きれいだなあ。

手仕事に没頭していると、パソコンに気持が向かなくなる。
情報を受けとったり、自分の発信ツールとしてもインターネットはもはや欠かせないものになっているけれども、なければないで、不便でも不満でもない自分がいる。
パソコンが普及したことで、助かったり支えられたりしているひとはたくさんいるだろう。だから、この便利な道具は、上手に利用できればいいと思う。
上手に利用できそうもないときは、そこから遠ざかればいいのだ。

ここにも毎日くると決めて始めたが、週末は休むとか、すこし考えている。時々、メールもネットも見ない、パソコンの電源も入れない、そんな日をつくりたい。
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# by kotoko_s | 2014-01-13 22:30 | 作る | Comments(0)

襤褸を縫う

「ボロのボロ隠し」を作り始めた。
ボロ―襤褸は尊いと思っている。しかも、私の手元にあるのは家族の歴史を背負ったボロである。

以前、炬燵掛けにするつもりで初めて作ってみた。小さい布を手縫いでつないでいく。なかなか手間のかかるもので、仕上がる前に春になってしまった。炬燵に掛けられるほどの大きさではないが、雑多なものを詰め込んであるカラーボックスの前に垂らしてみると、これがなんと、素晴らしい。自画自賛しつつ、それを眺めるたびに嬉しくなってしまう。
だから「ボロで作ったボロ隠し」というわけだ。

このボロ、ほとんどが古い会津木綿である。どこの織元で織られたものかわからないが、今では見られなくなった柄も多い。この様々な縞模様に、藍や臙脂、山吹色などの無地をところどころ入れてパッチワークする。今度こそ、炬燵掛けの大きさにまでつないでみたいと思う。

型紙に沿って布を裁ち、並べる。ここはこの縞、隣りは無地の藍、上にはこれ、と色柄を合わせる時間が楽しい。2枚を縫い合わせ、それを二組作ってつなげ、そこにまた足して。少しずつ大きくなっていく。ちくちくちくちく。大小様々な四角を11枚つないで、一辺が30センチの『基本』がひと組できた。今日の仕事はここまで。

使うのが作品のために買ってきた布ではなく、縁あって家族となったひとたちの着古された布の端切れであることが、私にはもっとも意味あることだ。
ちくちくちくちく。こころ安らぐ。
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# by kotoko_s | 2014-01-12 15:53 | 作る | Comments(0)

 あれこれ


by haru
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