服は買わない

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今朝は今冬一番の冷え込みだった。こういう日は晴れる。
時がとまったかのように静まり返る雪景色を眺めていると
ガラス細工のような梢の向こうから光が差し始めた。
こんな朝は、雪ほど美しいものはないと思う。
世界が真っ白なのがなにか恵みのような気さえする。
ほかの色―たとえば赤とか黒だったりしたら落ち着いて眺めてもいられないでしょう。



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中学生の頃、冬休みの宿題に「新年言志」なるものがあった。
いわゆる「書初め」なのだが、そこは「言志」というだけあって
今年はこうします、という決心を書くのが決まりだった。
ということを、なぜか私は知らなかった。
何を書けばいいのやら。困って父親に相談すると「見たまま感じたままを書け」。
見たまま感じたまま・・・・・・庭に目をやる。枯れ木が寒そうに立っている。寂しい。
そうか、と「冬枯れの庭」と書いた。如何に気持ちが入っていないかわかるというものだが。

3学期が始まる日、その「新年言志」を提出した。
教室の後ろに全員のものが張り出される。あれれ・・・・・・
「個性を出す」「よく見るよく聞くよくする」「友を愛する」などというのもあった。
「冬枯れの庭」は明らかに場違いである。
そんな、「廊下は走らない」みたいなことを書けなんて誰も言わなかった、と思う。
どうも昔からひとのいうことを聞いていないらしい。恥ずかしい思い出だ。


毎年、書初めこそしないが、心に決心することがある。
たいていすぐ忘れてしまうか気持ちが変わってしまって続けられない。
茨木のり子の詩の通り
「初心消えかかるのを暮しのせいにはするな 
そもそもがひよわな志にすぎなかった」のだ。
それでも懲りずに、毎年なにごとか決心する。
今年こそ、と思う、その気持ちがなんとなくいいのである。

今年は初めてのことを決心してみた。「一年間、服を買わない」。

ここ数年で体型が著しく変化したのです。
加齢と共に仕方のないこと、とようやく自覚はしたけれど
何を着ても似合わないのはなんとしよう。
好きなスタイルは子どもの頃からあまり変わらない。
愛着のあるものを何年でも着続けるし、気に入ると色違いで買ったりもしていた。
でも、もうそんなことはできなくなったのです。
気に入っていたシャツがきゅうくつになって
よそゆきにとっておいた同じもう1枚がムダになってしまったのはもったいなかった。
スカーフやマフラーが好きで山ほどあったのも、最近は軽いものしか出番がない。
体の感覚が若い頃とは変わって、身につけられるものが限られるようになってきたのだ。

昔、おばさんたちはなんで柄物ばっかり着るんだろうねえ、と不思議だったが
今になってようやくわかった。
若い頃は何も飾らなくても美しい。
歳を重ねていくにつれ、見た目のシンプルだけではもたなくなってしまうんだねえ。
もちろん、素敵なひともたくさんいるが。

去年、着心地が変わったもの、似合わなくなったものはすべて手放した。
いつか体型が戻って、という妄想も捨てた。
それに。体型だけじゃないんだよねぇ。似合う色も変わる。
頭だって白いままいくかとか、いろいろあるのですよ、妙齢の女性には。


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さあ、今年は服を一枚も買わないぞ。
そう決めたとたん、思わぬアクシデントに見舞われた。冬の黒のコートである。
初めてのボーナスで買った30年以上前のコートを
告別式に行くので久しぶりに出してみたら、小さな虫食いがいくつかできていた。
大切にしてきたつもりだが、寿命だったのだ。
必需品なので仕方ない、買うしかないとがっかりしていたら
古着屋で思いがけずいいものが見つかった。また体型は変わるだろうし、これで十分。

ものをなるべく買わずにあるもので工夫するのが好きだが、服もそうできたらいい。
まずは一年、手持ちのものを楽しむと決めたら、なんとせいせいしたことか。






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Commented by hanamomo08 at 2017-01-22 16:36
実は着るものって買わなくてもいっぱい持っているんですよね。

私も母との暮らしになって6年目、その間外出着という物にはほとんど袖を通しませんでした。
10年前、20年前に比べると服の好みが変わりました。
色や柄ではなく、素材とにかく着ていて心地よいものが一番合います。
今年の冬もユニクロの綿タートルと暖かいベストが動きやすくて、息苦しくなくて、着心地がいい。
だからこの冬着ていた数枚の服が必要枚数ということです。

半端になったけど私も買わない暮らしをしてみようかな。

雪景色、当地より更に厳しい寒さが伝わります。
風邪にご注意を。
Commented by fusk-en25 at 2017-01-22 19:41
歳をとると柄物や赤いものに確かに目がいくのです。
身につけると若々しくなるかな?
ところが意外と、黒やグレーを着ると今までも着ていたからもあるけど落ち着く。柄物を着るよりはるかに若々しく見える。
(祖母達が年いくほどに地味な着物を着ていたのがわかる。)
くすんだベージュだけは似合わなくなった。真っ白がいい。
もともと30歳代から男物のTシャツやセータを着ていて窮屈とは縁がないし。(だから体型もカヴァーできる?)
ここまでが私の今の心境。笑。
それでもターマに珊瑚色のTシャツなんか買うんです。
黒に重ね着するために。。。。笑。
襟元からチラッと下の襟が見えるように。
暑くなって上のシャツを脱いだ時に、あらっ下に色を着てたのね。って新鮮な感じもする。。


Commented by pallet-sorairo at 2017-01-22 21:37
最近、処分しようと思っていた20年以上前のコーデュロイのベストスーツのスカートを自分でリフォームしました。
マキシ丈(古い!)だったので、裾上げをするのでなくきつくなってしまったウエストから下10㎝ほどを切ったら、いまのウエストにぴったり、あらら(^^;
友だちに「新しく買ったの? あら、いまコーデュロイ流行ってるじゃない!」なんて言われて(お世辞でも)ちょっとにんまりしています。
今年はこれ(リフォーム)で行こうかななんて思っていたところです(^^ゞ
Commented by saheizi-inokori at 2017-01-22 21:46
冬枯れの庭、いいじゃないですか。
今の私の心境です。
Commented by jarippe at 2017-01-23 06:41
おはようございます
新雪が枯れ木の小枝にまんべんなく乗っているところに
朝日が差し込む その情景綺麗ですよねー 大好きです
冷え切った朝のひとときですね
そんな時は空もスッキリ晴れていますし

着るものはいらなくなってきました
たまには新しいものが着たいなーと思うくらい
それでも捨てきれずに箪笥や押し入れに詰まっています
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-01-23 16:04
雪景色から厳しい冬の生活が思い浮かびます。
実際には経験がないので想像だけですが…
この上もない美しさですが、美しさには厳しさも伴うの
でしょうね。

服ねぇ、という感じです。
私もやはり家にいる機会が多くなってきたので、
あまり枚数はいらないですね。
タンスの中を見ても、ここ何年か冬の間履いていなかった
スカートがそのままの形でハンガーに。
勿体無いなぁとは思うのですが…………です。
断捨離できないのなら、買わない。
これが一番いいかも。
でも、たまには欲しいのも女性の気持ちかな。

Haruさん頑張って!
Commented by kotoko_s at 2017-01-24 21:35
☆momoさん
私もほとんど家にいるので、外出着に袖を通すこともあまりないのです。
体型ばかりでなく、生活が変わると装いも変わりますね。

自然素材が好きで化繊は着なかったのですが、最近は軽くて暖かいのが一番になって、家での上着はもっぱらフリースです。
当地にはデパートも気に入った店もなく、インターネットで注文するとたいてい合わなくて返品というムダになるので、いっそしばらく買わずにいようと思いました。

そちらも大雪ですね。ちょっと休んでくれると人間もひと息つけますが、降り続くと本当に心身ともに参ってしまいますね。
どうぞお体お気をつけて!
Commented by kotoko_s at 2017-01-24 22:30
☆fuskさん
「ところが意外と、黒やグレーを着ると今までも着ていたからもあるけど落ち着く。柄物を着るよりはるかに若々しく見える。」
これはよくわかるような気がします。
私は紺、グレー、白、が昔から落ち着くのですが、それに最近は茶系、グリーン系が好みに加わりました。
ベースは無地。それが今も基本で、柄物は格子か縞(チェック、ボーダー、ですね^^)。
補色や明るい色のマフラーやスカーフを合わせるのが今は気に入ってます。
昔は黒が好きでしたが、山の中に住んでからはほとんど着なくなりました。なにか、合わないんですよ、この環境に。
黒って都会の色かもしれません。

珊瑚色のTシャツ、いいですね。ちらっと見える、それは着物の楽しみにも通じますね。
あ、くすんだベージュは私も似合わなくなりました。
Commented by kotoko_s at 2017-01-24 22:44
☆そらいろさん
いいですねえ、私も腕があったらリフォームしたいです!
虫に食べられちゃったコート、もともとは、若かった私には思い切って買った「いいもの」でした。
長く着られると思って大事にしていましたが、やっぱり、30年も前のものは、肩パッドこんもりで、今は少々気恥ずかしいなと思いました。
コートは無理ですが、夏物とか、簡単にできそうなものから私も手直ししてみたいと思います。

Commented by kotoko_s at 2017-01-24 22:55
☆佐平次さん
「冬枯れ」って、13歳で生意気な、と今は思いますが。
奥会津の冬、枯れるどころか、庭がどこかもわかりません^^
Commented by kotoko_s at 2017-01-24 23:06
☆jarippeさん
こんばんは。そちらも冷え込んでいますね。
安曇野で冬を過ごしたときの風景を思い出しました。
会津より雪がなくて、普通のブーツでどんどん歩けたことに感激しました。
でも、寒さはそちらのほうが厳しいと思います。どうぞお大事になさってくださいね。

衣類、みなさん、おんなじなんだなあとわかってほっとします^^
ただ捨てるというのは私もできなくて、Tシャツなら切って台所の油拭きなどに、木綿なら裂き織りに、きれいなものは必要とされるところへ送るなど、その始末もなかなかエネルギーが要りますね。
一度、あるものだけで様子を見て、本当に必要なものが何か、考えてみようと思います。
Commented by kotoko_s at 2017-01-24 23:18
☆PochiPochiさん
そちらも雪になりましたね。
いつもはあまり降らないところの雪は大変なことと思います。
どうぞお気をつけてお過ごしくださいね。

「断捨離」、字面の厳しさにも思わず身がすくむようですね^^;
私は到底、そんなにキッパリ捨てられないたちで、なるべく再利用する方向で片付けています。
特に女性にとって身につけるものは、楽しみや気分転換のひとつでもありますから、これからもずっと何も買わないというわけにはいかないと思っています。
なかなか気に入った買物が難しい土地柄ですが、かえって無駄使いしなくていいかもしれません。
とはいえ、早くも「あ、春先のコートがないじゃない」^^
なんとかがんばってみたいと思います。
Commented by オリオリ at 2017-01-27 01:41 x
わたしもお気に入りの黒のオーバーに虫食いを見つけました。
どうして虫はおいしいものから食べるのでしょう。
キャメルの毛布も穴があいていました。
ほぼカシミアのオーバーは手ざわりも着心地も滑らかで・・・
手放せないし冠婚葬祭に持っていたいもの。
裏側から剃刀で繊維を取り出し、羊毛フェルト用のニードルで
穴を埋めた繊維をチクチク。修繕してきています。
愛着もわきますね。
Commented by kotoko_s at 2017-01-28 12:25
☆オリオリさん
おいでくださってありがとうございます。

すごいですね、その方法は知らなかった!
そうなんですよね、いいものほど食べられちゃいますね^^
私のコートは10年近く前に一度、一箇所だけ小さく虫食いができたのを、どうしても手放せなくてプロのかけはぎに出したのです。
高かったけれど、愛着があったんですね。
今回は目立つ場所に2つあったのであきらめました。
もうちょっとすそのほうだったら、丈を詰めてジャケットにするとか、そんなことまで考えたのですが。
捨てられなくて、そのままにしてあります^^
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by kotoko_s | 2017-01-22 14:32 | ある日 | Comments(14)

 あれこれ


by haru
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