片付けと裂き織

暖かくなって体が楽に動くからか、次々と用事ができて、春は忙しい。
冬のあいだ物置と化していた部屋を片付け始めたら
何もかも処分してすっきりしたくなった。
雪になる前に大整理したとき、迷いに迷って「とりあえず」と脇に置いたものに、ひと冬越したらなんの未練もないのが不思議。

紙類はなんとかなりそうだが、厄介なのが、衣類だ。
毎年、季節がくれば出しては、一度も袖を通さないまま、またしまいこむ。
そういう類は何度も片付けたつもりがまだまだあって、もう、今度こそやめた、と思った。
手放すことに決めたらだいぶ気分が落ち着いた。

手放す、といっても、えいやっと捨てられるものはそんなにはない。
やっぱり、「捨てる」という行為には罪悪感があって、それぞれに合った行き先を考える。
Tシャツは適当な大きさに切って台所へ。
お皿を洗う前のひと拭きや、レンジの油汚れに重宝する。
薄手の生地は裂き織やパッチワークに。
ジャケットやウール素材のきれいなものは、役立てていただけるところへ送る。

「ひと手間」を惜しまないことにも、体力、気力が必要だ。
片付けとは、頭も体も、心も使うものなり。

始めると一気にやりたくなるが、片付けはくたびれる。
疲れてやる気が失せないよう、少しずつ。
今日は思わぬ思い出に出会って、それもまたよかった。

「断捨離」というの、字面が恐ろしげで、どうもなんだかなあと思うが
堆積するものをほったらかしにしていれば、いつか必ずどうにもならなくなる時期がくる。
心が無理なく平安になれるための始末は、できることなら自分でしたい。
長らく抱えていて、今、手放す決心がついたものには
それだけの時間が必要だったのでしょう。

先日の実家での片付けの話も、また後ほど。



さて。「ダンボールで織る裂き織」の作り方。
やっとこさ、下に載せてみました。
これ、材料を買わない、というところが大切です。
愛着があるけどもう着ないなあ、という服こそ、裂き織に。
どうぞお試しください。




用意するものと基本の準備

・ダンボール
カッターで切れる程度の硬めのもの。
できれば表面全体にスジが入っていると便利。
・割り箸
コースターなら2膳、袋物を織るときは3膳用意する。
1膳は先をカッターで平らに削っておく。
・古い布地
着古した服、虫くいや色あせのある着物など。
織りやすいのは木綿・絹。Tシャツも向く。タオルとセーターは不向き。
・糸 
タテ糸にするので伸縮性のある丈夫な糸。
毛糸、太めの木綿糸や麻糸、編み物用の糸など。
・櫛かフォーク(なくてもOK.)

1.ダンボール箱をカッターなどで板状に切る。
 表面にスジが入っていたら、スジがタテ方向になるように。
 周囲を手でつぶし、セロテープなどで補強しておく。
2.ダンボール板の天地に切り目を入れる。
 スジがあればそれに沿って、なければ5mm~1cm間隔に印を付け切り込む。
 ※切り込みはタテ糸の間隔になります。
 間隔が狭ければしっかりした布、広ければ柔らかい布になる。
3.布を裂く
 裂き織は、手で裂いた布の毛羽立ちが風合いとなります。
 布の端から1cm幅のところにハサミで切り込みを入れ、手で裂く。      
 最後まで裂き切ってしまわずに少し残し、また1cm幅に切り込みを入れて裂く。
 布目の縦方向が裂きやすい。厚手の布は細めに裂く。
 こうして長くつなげたまま玉に丸めておきます。

Tシャツなど裂きにくい布はハサミで切ります。
カットソーは、切ったあと引っ張ると内側に丸まり紐状になるので、扱いやすい素材です。
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*コースターの作り方*
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ダンボール板12×30cm
厚紙(古い葉書など)幅8cm 1枚
タテ糸   裂いた布

ここでは麻糸をタテ糸に使いましたが、太めの綿糸や毛糸、リボンなども面白い。
コースターのタテを伸ばして長く織ればミニタペストリーになります。

1.ダンボールの表面に入っているスジを利用して、8㎜間隔に切り込みを入れる。
 タテ糸の間隔は広すぎないほうが、仕上がりはきれいです。
 太めの毛糸などをタテヨコに使うときには広めでもOK.
2.切り込みに糸をはさみながら、上下・表裏を通してタテ糸をかける。
 織り上がると縮むので、作りたい大きさより広めにタテ糸をかけます。
3.幅8~10cmの厚紙を手前にはさむ(タテ糸1本おきに)。
 ※厚紙が用意できないときは、ダンボールの下からすぐ織りはじめてもよい。
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4.先を平らに削った割り箸に裂き布をはさみ、タテ糸を1本ずつ交互にすくっていく。
 2段目は1段目と逆の糸をすくう。1段ずつフォークか櫛、なければ指で手前に詰めてい
 く。織りはじめの布端は、2段目に織り込んでおく。 
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裂き布(他の糸でも同じ)は横にピンと張らずに山型になるようゆるめに通してから手前に詰める。こうすると幅が狭くならない。
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継ぎ足すときは布どうしを3、4cm重ねる。布端は斜めに切る。
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1枚織れました。最後の端は1段手前に織り込むか、次の段に織る。
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5.裏面でもう1枚織ります。
 ※厚紙を入れずに下から織りはじめたときは、裏面は上下を逆にして織り始める。
 これはタテ糸で房を作るときに十分な長さをとっておくため。
 長く織るときも厚紙を入れずに織れるところまで織り、裏面の中央で糸を切る。
6.裏面も織れたら、タテ糸を片方だけ切り、数本ずつまとめて房にする。
 厚い本など重しをのせると糸の始末がしやすい。残りの糸も同じように始末する。
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7×9cmのコースターが2枚できました。タテ糸が細かったので、裏面では1本足しました。
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小さめに作りましたが、用意したダンボールでもう少し大きいものも織れます。
Tシャツを切って織り込んだコースター。糸と布を交互に織ると立体的な表情に。
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*ふた付きミニポーチの作り方*
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ダンボール12×26.5cm
タテ糸(太めの木綿や麻糸などを使えばしっかりした織り地になる)  裂いた布

タテ糸の間隔が狭いとしっかりした布になり、ゆったりした間隔だと柔らかい布に仕上がります。今回は8㎜間隔なのでゆったりめです。

1.ダンボールに切り込みを入れる。
 袋物はできるだけ脇に隙間をなくしたいので両端は切り込み幅を半分にする。
 (8mm間隔なので両端は4mm残す)
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2.切り込みの端から端までダンボール全体にタテ糸をかける。
 袋ものを織るときは、タテ糸は奇数本。始まりと終わりが上下になっていれば奇数。
 割り箸を表裏にはさんで立てる。
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3.ダンボールの下部から織り始める。端は裏側に織り込んでおく。 
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袋ものは、織り込む布(糸)は山型にしないでまっすぐ通す。
端のタテ糸が内側に引っ張られやすいので調整しながら織る。
ダンボールを引っくり返しながら表裏続けて織っていきます。
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袋側が織れました。織り込んでいる裂き布は裏側へ。裏側でふたを織る。
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ふたが織れました。少し強く引きながら織り、先をすぼめてみました。
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4.タテ糸を切る。
 糸は結ぶので、ふた側も袋側も同じように長めに残す。
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5.ふた側の糸を数本ずつまとめ房を作る。このときダンボールから抜かないこと。
 糸を結ぶ前に抜いてしまうと、ほどけてきて糸始末が大変になります。
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袋側のタテ糸は、2本ずつ1回だけゆるく結んでおく。
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6.ダンボールを抜く。
 底に隙間があるようなら、ゆるく結んだ袋側のタテ糸を引っ張って締める。
 そのあとしっかり結ぶ。
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7.袋の口の糸を、かぎ針などで裏側に入れる。
 ふた側の糸も同じように裏側に入れ、ボタンをつけるなど、好きなデザインで。
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9×11cmのミニポーチが完成しました。
大きめに織り、両脇に紐をつければポシェットにも。
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好きな素材、やりやすい方法を見つけて楽しんでくださいね。

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Commented by kazgarden2 at 2015-05-01 10:29
はるさん こんにちは ^^
はるさんはとっても良い先生ですね~! 丁寧でとっても解りやすい説明にさすが~と思いましたよ! 子供たちが夢中になって作っていたのが理解できます。 手芸が大好きな母に教えてあげようと思います。^^ 
それにしても春ってどうして飛ぶように過ぎてゆくのでしょうね!! ほんの少し時間をスローに出来たらいいのに。(冬は超スピードで。笑)
Commented by kotoko_s at 2015-05-01 15:29
☆Kazさん
こんにちは!お立ち寄りくださってありがとうございます。
まあ、解りやすい説明になっていましたか? よかった~
楽しくできるのが一番なので、ワークショップなどではどんどん進めるのですが、こうして書いてみると細かくて実に説明がヘタだなー、と^^;
ありがとうございます、ほっとしました^^

こちらの春、今年は特に早足なんですよ。あっという間に夏に行ってしまいそうで心配です。待ちわびた春、ゆっくり楽しみたいですよねえ。
「冬は超スピードで」―ほんとうに!(^^*
Commented by 梨の木 at 2015-05-05 18:28 x
はるさん、ご無沙汰しています。
先日善光寺に行って、回向柱に触ってきました。少し前にはるさんとお父様が歩かれた場所かと思ったら、なにか不思議にはるさんと繋がっている気持ちになりました。

わたしも今回実家で自分の荷物を片付けてきました。片付けこそ気力体力のあるときにやっておかなければ、後になるほど難しくなりそうですよね。思い出ってとにかく重くて、エネルギーを吸い取られてしまいますし。

裂き織、わたしも挑戦してみます。
Commented by kotoko_s at 2015-05-06 10:03
☆梨の木さん
こんにちは、お越しくださってありがとうございます。
そうでしたか、善光寺さんに! 梨の木さんもあの場所に立たれたのですね。なんだかとても嬉しい気持になりました。
7年に1度の御開帳、実は父と一緒に参詣したのは初めてでした。よい思い出になりました。

私の実家は引越しが多くて、父母は「自分のものは自分のところへ引き取るように。置いてあるものは捨てていいと見なす」という人たちで、実家にはもう自分のものはほとんどないのです。
今になって小学校6年間、毎日書いた日記なんて見てみたい気持になって、処分してしまった母をちょっと恨んだりしていますが^^;

片付けは本当に体力、気力が要りますよね。
迷うものはまだ手放す時期がきていないのだと思いながらも、そうして迷っている時間そのものに、今を生きるエネルギーが奪われていると思うこともあります。
なんだかもっとシンプルになりたい!という願望がむくむく^^

裂き織、楽しんでいただけたら嬉しいです(^^*
Commented by Kcouscous at 2015-05-13 10:48
あ、すてき、すてき! すごくわかりやすい、写真の美しい解説書になっていますね。
私もはるか昔、こたつの上板と定規と毛糸を使った簡単織物に熱中したことがありましたが、こちらのほうがずっと気軽に始められるし、縦糸がずれなくてよさそうですね。裂き織りは前からやってみたいと思っていたので、挑戦してみます。ありがとう〜。
Commented by kotoko_s at 2015-05-14 09:06
☆ Kcouscous さん
まあ!わかりやすいとおっしゃっていただけてうれしいです、ありがとうございます。
こたつの上板、というのは思いつきませんでした、すごい^^大きいものが出来ますよね。
1枚のダンボールで大きなものを織るのは限界がありますが、片側に切り込みを入れた2枚のダンボールを、テーブルの端と端にテープで固定してたて糸を張ると、長いものも織れます。出来上がるまで放置できる場所が必要ですけど^^
裂き織は、はまります^^ぜひぜひお楽しみください(^^*
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by kotoko_s | 2015-04-25 23:00 | 作る | Comments(6)

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by haru
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