いきもの

c0323384_23505462.jpg
雨が降った翌朝、なめらかだった雪原もご覧の通り。ちょっと中華まんの底を思い出した。

その上を、縦横無尽に走り回った野ウサギの足跡。
左の沢づたい、横にふたつ並んでいるのは後ろ足、縦にふたつが前足の跡。
実はこれ、向こうから手前へと進んできたのです。
ウサギは、後ろ足を前足の先に蹴り出し、はずみをつけて跳んでいく。

ここで生まれ育ったトーチャン(60近く)に聞くと
若い頃は車で走っていると、道路脇の雪山の上を野ウサギがよく跳んでいたそうだ。
ウサギのほうでは車に驚いてあわてて逃げようとしていたに違いないが
いたずら好きな若いトーチャンは、それっとばかりにスピードを上げ
ウサギを追ったというのだから、なんてひどいヤツだろう。
もっとかわいそうなこともやったらしい。

かわいそうに、と言いながら、思い出したのは自分の罪状です。

子どものころから虫が好きで、よく観察したものだが、考えてみるとそれは
「かわいい」「かわいそう」というような優しい感情よりも
「面白い」という好奇心のほうがダンゼン強かった。

家族で行った牧場の帰り道、見たことのない緑とピンクのイモムシを見つけ
私は大喜びで紙袋に入れ、帰りのバスに乗ったのです。
いつのまにか眠ってしまい、しっかり握っていたはずの袋の口が開いたのでしょう。
気がついたらバスの中は大騒ぎ。
見れば通路の真ん中を、私の大事なイモムシがゆうゆうと這っている。

乗客の騒ぎにバスは止まり、父に「捨ててきなさい」と言われて
半べそでイモムシを道端に捨てました。

あのイモムシはその後、無事に羽化できただろうか。
かわいそうなことをしたなと今は思います。
あの「事件」のあと、私の「イモムシ好き」は、ぱったり冷めたような気がします。

イモムシの次に好きだったのは、蟻。
縁側に腰掛けて足をぶらぶらさせながら
足元の砂の上をぞろぞろ行進している蟻を、飽かず眺めていたものです。
よくよく見ると、蟻はいろんなものを担いで巣穴に運んでいるらしい。
図鑑で調べると、どうやら蟻というのは頭がよくて
どんなに遠くまで行っても迷わずに帰ってこられるという。

ほんとうだろうか?と思ったので、蟻のいつもの通り道に
私はいろんな細工を仕掛けました。
石を置いたり、土を掘って水を溜めたり、枝を積み上げたり。
すると案の定、蟻たちは右往左往して迷っている。
これは面白い!と7歳だか8歳の私はおおいに楽しんで
うろうろしているかわいそうな蟻を、砂の漏斗につまんでは落としました。
この砂の漏斗、というのはご存知、「アリ地獄」―ウスバカゲロウの幼虫の罠でした。

残酷な子どもだったんだ、と、自分のことながら驚きます。
本当にかわいそうなことをしました。
それでも、小さな虫たちが本当に大好きだったのです。
それも、ほんとうのことでした。


野ウサギの足跡から遠くへきてしまいましたが。
人間以外の生きもののことを考えると
いろんなことに思いは広がっていく。
時々、人間以外のことを、考えてみたほうがいいのかもしれません。
[PR]
Commented by hanamomo06 at 2015-01-25 12:14
こんにちは。
買い物リストを夫に渡し、今日は買い物から開放されました。買い物って楽しさ超えて結構疲れるんですよね。
でも、買ってきたものを見るまで安心できません。
普段買い物に行かない人に頼むと、目的の物でないものを持って帰ります、でもそろそろ自分ひとりでやるのを少しずつやめようと思い始めています。(あまりに何もできない人なので)

kotokoさんの文を拝見し、まどみちおさんのことを思い出したり、息子を思い出したり・・・・・懐かしいこといっぱい思い出させてくれました。
まどみちおさんの小さきものに対するまなざしに似ています。
息子も蜘蛛やトカゲが大好きで、小さな水槽で蜘蛛を観察していました。
巣をつくり、卵を産み、無事に風の吹く日に蜘蛛の赤ちゃんは独り立ちしたからよかったですが、こうして飼われることは、蜘蛛にとっては過酷な環境なのだと教えても教えても好奇心のほうが勝ってだめだったのです。
でもそばで見ていた私も蜘蛛が卵を産むための徳利のような精密な巣を見て唸るほど感動したのです。
音信普通の息子に電話してみます。
わずかな共有した時間を懐かしがってみます。ありがとう♪
Commented by kotoko_s at 2015-01-25 13:44
☆momoさん
こんにちは。
買物って、疲れますよねえ。
私のところは車でないと店まで行けないので、冬はほとんど買物しません。あるもので食べてます。でも、さすがにもうイモとマメと白菜・大根しかないな(笑)
うちは夫が買物大好きなので、よく頼みます。でも、うっかりすると、しまった!という事態に。メモにただ「ヨーグルト」と書くと、私の買わないアヤシイ銘柄のものを、しかもいくつも買ってきたり^^;
でも、まずは「ありがとーたすかったー」と盛大におだてて、あとで「今度はこれじゃないヤツをお願い」と^^
全部自分でやると間違いはないのですが、それだと将来、実家のように、病気の母のためどころか自分のメシさえ炊けないオヤジになる、と(笑)

まどみちおさん、虫が大好きな詩人でしたね。よく見ていらした。
息子さんも蜘蛛を。自然界にあるがままの姿でいるのが一番なのに、どうしても自分のそばに置きたくなる気持、私もよくわかります。育てたい、と思うんですね。
昨年の今頃は、植木鉢の縁にくっついたモンシロチョウのさなぎが、あったかい部屋の中で羽化してしまって。平均より長く生きてくれましたが、毎日気が気ではありませんでした。野のものは野にあるのが、幸せでしょうね。
息子さんと、懐かしいお話いっぱいなさってくださいね(^^*
Commented by saheizi-inokori at 2015-01-25 21:45
生物の中で一番強いのは昆虫、その中でも誰からも恐れられるのは蟻だそうです。
なんとなくわかります。
アンマンの底とはなあ^^。
Commented by kotoko_s at 2015-01-25 22:55
☆佐平次さん
蟻は誰からも恐れられる―それはなんとなく、わかるような気がしますねえ。
軍隊アリだったかな、たしかすごく獰猛なんですよね。テレビで見てゾッとしました。

ぼこぼこになった雪の表面、ほかに思い浮かばなかったのです^^
あ、肉まんのほうが好みですが、関西だと豚まんって言うのかな(^^*
名前
URL
削除用パスワード
by kotoko_s | 2015-01-25 10:27 | ある日 | Comments(4)

 あれこれ


by haru
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30